右手をついて立ちあがろうとした際に、
右手関節を痛めた40代女性。
手関節の尺側の痛みを訴えて来院されました。
この時点で、、、「あ、TFCC損傷かな?」
なんて思う方は多いかもしれません。
当院のブログでも紹介している疾患ですしね。
ただ、病態把握で先入観は禁物です。
私の場合は手首の小指側に痛みが生じる疾患を
10個以上考える。これが鉄則です。
私も患者さんと会話しながら、
色々と可能性を考えていました。
手関節の運動痛はほぼなし。
回外を強くすると痛みが出る程度。
圧痛はTFCCにはなく、DRUJに認める。
しかしDRUJを痛めたのであれば、
運動時痛が出てもおかしくない。
少し頭を悩ませていると患者さんが、、、
「先生、こうしたら痛いんです」と
背屈したり回外したりするんです。
「あれ、さっき私が動かした時には痛みなかったですよね?」
そうなんです。
Passiveでの運動時痛は認めなかったんですが、
Activeだと疼痛が再現されるんです。
そこで詳細な圧痛を確認すると、、、
「それ、痛いです」と患者さん。
「あ、なるほど〜。これか〜。」
やっとわかったんです。
「じゃ、こうしてみて。」(小指の伸展を指示)
「痛いです!」
もうわかりましたね。
そう、手関節第5区画を通るEDM(小指伸筋)の
いわゆる腱鞘炎だったんです。
やはり先入観は禁物です。
そして詳細な解剖学的知識と触診はもっと重要です。
そんなことを再認識した症例でした。
手首の痛みが引かない方は
このようなケースもありますから
早めにご相談下さいね。
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今回はここまで。
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